5日の大雪は山梨県内に大きな影響をもたらした。転倒などで8人が負傷し、116校が休校した。交通も大きく乱れ、JR中央線の特急は大幅に遅延。列車内で一夜を過ごす乗客も出た。甲府市では11センチの積雪を記録し、6日、雪かきに追われる姿がみられた。
運転と停止繰り返し「もうこりごり」
大雪の影響で、JR中央線では5日の特急が大幅に遅延し、列車内で一夜を過ごす乗客が出た。
長野県茅野市の女性(73)は、5日午後4時に東京・新宿駅から乗ったJR中央線の特急あずさが途中で運行取りやめになった。乗り継いだ特急かいじと合わせて5日夕方から20時間を列車内で過ごし、6日の正午ごろにJR甲府駅に着いた。一睡もできなかったといい、JR甲府駅構内のベンチで体を休めていた。
4カ月に1度の日帰り診察のため、東京の病院に行った帰りだった。
大雪の影響で遅れる、という車内アナウンスが流れたが、乗客は静かに過ごしていたという。車内は暖房がついていて、クッキーが配られたが、途中の駅で降りて、コンビニで食べ物や飲み物を買っていた乗客もいたという。
列車は夜通し、断続的に運行と停止を繰り返したという。「2時間くらいの旅のつもりが。もうこりごりです」。コートを着て、手をこすりながら、松本方面の列車を待っていた。
JR東日本によると、中央線では5日の特急あずさとかいじの上下5本が倒木や架線切れのために大幅に遅延。5日午後に出発した列車が6日昼に終着駅に着く状況だった。中央線は6日昼過ぎから運行再開した。
6日午後、JR甲府駅構内では運行状況が書かれた案内板の前に人だかりができた。東京に商談に行くという会社員男性(60)は「今日の予定がすべて飛んじゃいました」。駅構内のベンチで待ちくたびれた様子だった。
山梨県内の休校116校
山梨県によると、今回の大雪で、転倒によるけがが5人、除雪作業中の負傷が3人発生し、うち1人が足の骨折で重傷という。また、大月市で3カ所、上野原市で1カ所の避難所が開設された。
県教育委員会のまとめでは、6日は北杜市、富士吉田市、都留市、富士河口湖町など17市町村の高校や特別支援学校、中学校、小学校合わせて116校が休校となった。甲府、南アルプス、甲斐、甲州市などでも150校が始業時間を遅らせる措置を取った。
県警によると、雪によるスリップ事故は5日の降り始めから6日午後4時までに、軽傷事故2件、物損事故119件。交通企画課は、スタッドレスタイヤ装着や、車間距離を十分に取るようよびかけている。
甲府地方気象台によると、県内で発令された大雪警報や注意報は6日までに解除された。6日、甲府市で11センチ、富士河口湖町で25センチの積雪を記録。南岸低気圧が日本の東に抜けたため、天候は今後回復するという。7日明け方も放射冷却になる見込みで、路面凍結の恐れがあるといい、気象台が注意をよびかけている。(羽場正浩、棟形祐水)
落雪に注意呼び掛け
積雪があった甲府市の中心部では6日、午前中から住宅や店舗の前の雪かきをする人の姿が見られた。
スコップや雪かき用シャベルなどの道具を使い、歩道の雪を電信柱の根元などに寄せて通路を確保していた。雪遊び半分ではしゃぎながら手伝う子どもらの一方で、大人たちは、水を含んだ重い雪に、顔をしかめたり、腰を伸ばしたりしながら作業する人もいた。
商店の中には、開店時間を遅らせたり、高所からの落雪に注意を促したりする掲示を店先に出しているところもあった。(三宅範和)
長野県内 6日夕も一部高速道の通行止め続く
長野県内は5日から6日にか…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル